空き家・実家相続時に
知っておきたいこと
Point
相続は人生において何度も起こることではないので、わからないことも多いでしょう。しかも財産が関わることなので、他人にも相談しづらいデリケートな問題です。
こちらでは基山町や鳥栖市、みやき町で空き家管理や空き家売却を行っている「エンプティ・ハウス」が、相続にかかる費用や税金、相続税対策、相続の流れなど、不動産相続で押さえておくべき基礎知識をご紹介します。ご不明な点はお気軽にご相談ください。
相続にかかる費用と税金
相続の問題は突然やってくるかもしれません。「相続にはお金がかかりそう」「相続税はどれくらいかかるのか?」「できれば相続税を抑えたい」……相続に関わるお金をあらかじめ知っておくことで、不安を解消しましょう。
不動産を相続したときにかかる税金
不動産相続では、不動産を相続したとき、相続した不動産を所有しているとき、相続した不動産を売却するとき、それぞれの場合で税金がかかります。このうち、不動産を相続したときにかかる税金が、相続税と登録免許税です。
相続税 | 財産を相続した際に課税される税金です。遺産総額から基礎控除を差し引いた金額に対して相続税が課せられます。課税価格によっては発生しない場合もあります。 |
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登録免許税 | 不動産を相続した場合には所有者が変わるので、「所有権移転登記」を行う必要があります。登記の際にかかる税金が「登録免許税」です。 |
なお、相続においては基礎控除や配偶者控除を利用することができます。これらを利用することによって、相続税がかからないことがあります。相続税がかからなければ、相続税を申告する必要はありません。
基礎控除 | 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数 たとえば、相続人が配偶者と子ども2人の場合、法定相続人は3人となるので、「3,000万円+600万円×3=4,800万円」が基礎控除額となります。 |
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配偶者控除 | 配偶者が相続した遺産が1億6,000万円以下であれば、配偶者にかかる相続税はゼロ円になります。ただし非課税となるのはあくまで「配偶者の相続税」だけです。また、配偶者控除を受けるには、相続税の申告書の提出が必要です。 |
その他
不動産相続時には、相続手続きに必要な戸籍謄本や住民票などの書類を取得する際の手数料も必要です。また、不動産を所有している場合、固定資産税のほかに、土地や建物を維持管理するための費用がかかります。
相続の生前対策について
いざ相続が起こったとき、遺された相続人がもめたり争ったりする事態は避けたいもの。円満円滑な相続が行えるように、生きているうちから行える対策が「生前対策」です。できるだけ元気なうちに準備を進めておくようにしましょう。
遺産分割の対策
相続発生時にもっとも多いトラブルが、遺産分割に関するものです。いざ相続が開始しときに、遺された家族がスムーズに財産を分けやすい状態にして整理しておく必要があります。老朽化したアパートや地方の山林など、もらって困る財産を処分しておくのもひとつの手です。
また、仲のよい家族であっても、相続内容に不公平感が生じてしまうとそれが争いの種となってしまうこともあるかもしれません。トラブル回避のためにも、遺言書を用意してもらうことで事前に分割方法を決めておくことも検討しましょう。
もちろん、生前のコミュニケーションも重要になります。日頃から連絡をとって、被相続人と相続人同士の気持ちを伝え合っておくようにしましょう。
相続税の軽減対策
相続財産が明確になり、その分割方法が決まれば、それぞれの相続税の金額もわかります。相続税がかかると予想される場合、生前にできる対策によって、相続税を減らす方策を考えましょう。
小規模宅地等の特例、相続時精算課税制度、生命保険の非課税枠などを利用することで、相続税の軽減が可能です。また、保険や金融商品などを購入して財産の形を変えたり、賃貸住宅を建てたり、贈与によって財産を減らしたりなど、評価額を下げる対策も考えられます。
納税資金の確保対策
相続税は相続開始日後10ヶ月以内に、現金での一括納付が基本です。納税するための資金が確保できているか、足りなければどのように工面するかも確認しておきましょう。不足するようであれば、生前贈与、資産の組み換えなどの対策が必要になります。
とくに相続財産のほとんどが不動産という場合は要注意です。不動産の売却や生命保険への加入なども検討しましょう。
相続発生後の対策
生前に万全の相続税対策ができれば問題はありませんが、実際には、相続発生後にわかることも少なくありません。こちらでは、相続が発生してから取れる相続税の軽減対策をご紹介します。
配偶者控除の利用
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×相続人の数」です。ただし配偶者に対しては、配偶者の今後の生活を守るために、配偶者控除が適用されます。配偶者の法定相続分である相続財産の半分、あるいは1億6,000万円までは相続税がかかりません。
相続人の子どもなど他の相続人がいる場合には、配偶者への遺産配分を多くすることで、相続税を減らすことができます。
二次相続対策も考慮する
被相続人が亡くなったとき、まず最初の相続である「一次相続」が起こります。次にその財産を相続した人が亡くなったときに起こるのが、「二次相続」です。
たとえば父親が亡くなったとき、一次相続で配偶者控除を利用して、多くの遺産を配偶者に分配すると、相続税を減らせます。しかし、次に母親が亡くなって、子どもたちへの二次相続が起こった際には、配偶者控除を利用できません。
配偶者控除を最大限使って相続すると、二次相続の金額が大きくなり、母から子への相続が割高になってしまうことがあるのです。この点も考慮し、一次相続が発生した段階で、二次相続まで見越した相続税対策を検討する必要があります。
小規模宅地等の特例の利用
被相続人が住んでいた土地など、一定の要件を満たす土地であれば、小規模宅地の特例によって評価額を最大80%引き下げられます。この特例は、高額な税負担によって自宅を手放すことなく、遺された家族が自宅に住み続けられるように創設されました。
居住用の土地であれば330平米まで、事業を行っていた土地であれば400平米まで80%の評価減となります。また、賃貸していた土地であれば、一定要件を満たせば200平米まで50%の評価減となります。
土地の評価額自体を下げる
「公道に面していない」「面している道路の幅が4m.以下」「間口が狭い」など、土地の評価額を下げる要因を見つけて調整項目に反映させれば、土地の評価額を下げることが可能です。土地の評価額が下がれば、相続税を下げることにつながります。
不動産相続に必要な手続きや書類
不動産相続では、被相続人が所有していた不動産の名義を相続人の名義へ変更しなければいけません。この際に行う登記を相続登記といいます。不動産の相続登記では次の書類が必要になります。
役所で取得する書類 | 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで) 被相続人の住民票の除票 相続人全員の戸籍謄本 相続人全員の印鑑証明書 不動産を取得した相続人の住民票 不動産の固定資産評価証明書 |
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自分で作成する書類 | 土地の相続登記の申請書 遺産分割協議書 |
法務局で取得する書類 | 不動産の全部事項証明書 |
必要な手続き
役所で行う手続き | 戸籍謄本の請求は、それぞれの本籍地へ請求する必要があります。「遠方の役所に戸籍謄本を取りに行ったら、さらに遠くへ転居していた」ということもあります。役所の窓口に直接行くだけでも大変で、途方に暮れることもあるようです。なお、被相続人の配偶者や直系親族であれば、戸籍を郵送で取得することも可能です。 |
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相続登記の手続き | 必要書類を揃えたら、法務局へ相続登記を申請します。直接出向いて提出する方法と、申請書類一式を郵送で送付する方法があります。申請書類に不備が無ければ、申請から1~2週間で登記が完了し、登記識別情報通知が交付され、不動産の相続登記は完了となります。 |
なお、遺言書がある場合や法定相続分の割合で登記する場合、相続放棄をした相続人がいる場合など、お客様の状況や不動産の状況によって必要となる書類や手続きが異なります。ご不明な点や心配な点は、お気軽に当社へご相談ください。
相続の流れ
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Step1
遺言書の有無を確認する
遺言書の有無を確認します。遺言書があれば、基本的には遺言書の内容に従って遺産分割を行います。分割方法が指定されていない遺産がある場合や、遺言書が無効の場合には遺産分割協議が必要になります。
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Step2
相続人を確定する
遺言書の有無を確認すると同時に、遺産分割に参加する相続人の確定も進めます。被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本をもとに、相続人全員を漏れなく把握しましょう。
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Step3
財産目録を作成する
被相続人の財産を調査し、目録を作成します。相続財産に漏れがあると、遺産分割のやり直しが発生する可能性があるため、慎重に調査を行います。相続財産に不動産が含まれるかどうかは固定資産税の納税通知書で確認できます。
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Step4
遺産分割協議を行う
相続人全員が集まって、相続財産の遺産分割協議を行います。全員の合意が成立したら、「遺産分割協議書」を作成します。ただし遺言書がある場合には、基本的に遺言書の内容に従って相続を行います。
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Step5
相続財産の名義を変更する
相続した不動産の名義を被相続人から相続人へと変更します。2024(令和6)年4月1日以降は、相続の開始があったこと、および不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、不動産の相続登記を行うことが義務化されます。速やかに変更しましょう。
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Step6
相続税の申告・納税
相続税の申告が必要な場合、相続の開始を知った日から10ヶ月以内に申告と納税を行います。期限内に手続きができなかった場合には、延滞税がかかったり、相続税の特例が適用されなかったりすることもありますので注意しましょう。